
新しいテクノロジーを知りたい人「これからくるテクノロジーってどんなものがあるのかな。教えてほしい。」

本記事の内容
- 注目のテクノロジー9選
- キーワードは融合(コンバージェンス)
- テクノロジーの6つの成長ステージ
目次
今回、ご紹介する本
「未来を予測したい」
そう思いますよね?
この記事では 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよの書評として驚くような未来の姿を解説します。
しかもその未来の姿は2030年・・・10年以内で実現するとのこと。
もしかしたら本当にそうなるかも・・・と思った未来の姿を解説しますね。
それではいきましょう。
注目のテクノロジー9選
結論、下記です。
- 量子コンピューティング
- 人工知能(AI)
- ネットワーク(5G・6G・センサー)
- ロボティクス
- 仮想現実(VR)、拡張現実(AR)
- 3Dプリンティング
- ブロックチェーン
- 材料科学
- バイオテクノロジー、ナノテクノロジー
本書ではこれらをエクスポネンシャル(指数関数的)テクノロジーと呼んでいます。
それぞれ簡単に解説しますね。
量子コンピューティング
物理的制約によって、ムーアの法則が限界になると言われています。
このムーアの法則から次なるパラダイムシフトをもたらすものが量子コンピューティングです。
特に化学と物理は量子プロセスであるため、「新しい材料や化学品、医薬品発見の黄金時代」が期待されています。
ムーアの法則とは?
ムーアの法則(Moore's law)とは、インテル創業者の一人であるゴードン・ムーアが、1965年に自らの論文上で唱えた「半導体の集積率は18か月で2倍になる」という半導体業界の経験則です。
量子コンピューターは,多数の計算を同時並行,かつ高速で実行可能なコンピューターとして期待が高まっている。従来のコンピューターが,情報の最小単位を0か1で扱うのに対して,量子コンピューターは0と1の状態を同時に扱うことにより,飛躍的な計算性能の向上を実現する。
引用:富士通
グーグルの量子プロセッサー「Sycamore(シカモア)」を搭載したマシンが、スーパーコンピュターでも1万年かかる問題を数分で解いた
引用:Wired
人工知能(AI)
人工知能(AI)の活用もキーです。
- Facebook:ユーザーの自殺リスク判断で人工知能(AI)を活用
- 国防総省:兵士のうつやPTSDの初期兆候の感知に使用
- 日本の小説:AIが書いた小説が星新一賞の最終選考に残る
このように「見る」「聞く」「読む」「書く」「知識を統合」といった能力が飛躍的に高まってきています。
ネットワーク(5G・6G・センサー)
2025年頃には全人類がネットワークに接続できる時代がやってくると予測されています。
(2010年は18億人、2017年は38億人)
2030年にはネット接続されたデバイスは5000億個、そしてそれぞれにセンサーが数十個に達する見込みです。
健康管理、農業、製造工程などそれぞれに大きくネットワークは関わってきます。
ロボティクス
高齢者介護、ホスピスケア、乳幼児ケア、ペットケア、アバター、パーソナルアシスタント、自動運転などでロボットの活用が進んでいます。
また価格破壊も起き始めていて、ユニバーサルロボット(デンマークの会社)の「UR3」という多関節ロボットは23,000ドルです。
この価格帯ならば人間をロボットに置き換える企業が増えますよね。
仮想現実(VR)、拡張現実(AR)
VR、ARも押さえておくべきテクノロジーです。
VR、ARのすごい点は、プレゼンス(実在しているような感覚)です。
VR、ARのテクノロジーが進化すると脳はVR、ARを信じてしまいます。
これによって様々な制約がなくなります。
3Dプリンティング
3Dプリンターはすでに数百種類の材料を印刷することができます。
金属、ゴム、プラスチック、ガラス、コンクリート、細胞、皮革、チョコレート・・・。
すでにエンジンや回路、義肢、住宅といったいろいろなものが3Dプリンターによって生み出されています。
価格もかつては3Dプリンターは数十万ドルしましたが、今では1000ドルしないで購入できます。
ブロックチェーン
仮想通貨などでもよく聞かれる、ブロックチェーン技術です。
ブロックチェーンはデジタル台帳ですが下記の特徴があります。
分散型
広く共有されるデータベースである。
可変性ある
誰かが台帳に新しい情報を書き込むと、すべてが更新される。
許容度の高い
誰もが使用できる。
透明性の高い
誰もがネットワーク上の取引を見ることができる
このため、身元証明・資産・仮想通貨などで使用されるテクノロジーです。
材料科学
材料科学、材料工学は新しい材料の発見・開発を行う分野です。
AIを使って元素の数億通りの組み合わせを調べることで莫大なデータベースを構築した「材料ゲノム・イニシアチブ」などがあります。
最新の情報技術や計算科学を駆使し、優れた新材料の発見から実用化までのスピードを2倍に早める計画。アメリカ政府がホワイトハウス主導で2011年から始めた国家プロジェクトである。
引用元:コトバンク
バイオテクノロジー、ナノテクノロジー
2001年に「ヒトゲノム・プロジェクト」は終了しました。
これによりヒトのゲノム配列を調べるにはほんの数日、コストは1000ドルかからないくらいまで下がりました。
CRISPR-Casシステムによって、DNAの塩基配列の一塩基単位での書き換えが可能になって来ています。
これによって、よりパーソナライズされた医療ができるようになります。
CRISPRのDNA切断機構は遺伝子工学的応用にも用いられるようになる。2012年にJinekらがII型CRISPR-Casシステムを構成するCas9がRNA依存性のDNAエンドヌクレアーゼであることを見出し、生化学的にCas9による標的DNAの切断が可能であることを示すと、翌年には同グループを含めた複数のグループが哺乳類細胞のCRISPR-Cas9システムによるゲノム編集に成功する
引用元:Wikipedia
キーワードは融合(コンバージェンス)
今後のテクノロジーのキーワードは融合(コンバージェンス)です。
すでにご紹介したテクノロジーが融合していくことで、これからの100年で20,000年分もの技術変化を経験します。
例えば、コロナウイルスのワクチンなど医薬品開発の加速はバイオテクノロジーだけではなくAI・量子コンピューティングなどのテクノロジーが融合しつつできたものです。
本書においての最重要キーワードとして融合(コンバージェンス)があります。
テクノロジーの6つの成長ステージ
本書ではテクノロジーのステージを6つにわけて考えています。
- デジタル化(Degitalization)
テクノロジーがデジタル化される
- 潜航(Deception)
初期のゆっくりとした成長段階。世の中の過度な期待に応えられない状態
- 破壊(Disruption)
指数関数的成長によって、世界に影響を与え始める
- 非収益化(Demonetization)
かつて製品やサービスにかかっていたコストが消えてしまう
- 非物質化(Dematerialization)
製品そのものが消える
- 大衆化(Democratization)
一般に広がる
最新版のガートナーのハイプ・サイクルのようなものですね。
まとめ
この記事では2030年:すべてが「加速」する世界に備えよの書評としてテクノロジーを紹介しました。
- 注目のテクノロジー9選
- キーワードは融合(コンバージェンス)
- テクノロジーの6つの成長ステージ
今後必要なことは、組織のリーダーはこういった新しい技術を理解して「これまでに使っていたものを捨てて、新しい技術を導入する」決断をできるようになることです。
そういった意味で幅広い分野を知る必要のあるリーダーの方にはおすすめの本です。
ぜひ、ご一読ください!
今回、ご紹介した本