
シン・エヴァンゲリオンを観た人「シン・エヴァンゲリオンを観たけど、メインキャラの過去の伏線ってどうだったんだろう。解説してほしいな。」
こんにちは、はらだっちです。(@SHaradacchi)
25年近くエヴァンゲリオンを観てきた僕が解説しますね!

注意!!
この記事は2021/03/08に公開された
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||のネタバレが含まれます。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。
本記事の内容
- カヲルの伏線回収
- アスカの伏線回収
- レイの伏線回収
- シンジの伏線回収
シン・エヴァンゲリオン、とてもおもしろかったですね。ついにアマゾンプライムでも配信となりました。
僕は映画館で4回、アマゾンプライムでも3回見ています。
ただ見た直後はスッキリするんだけど、よくよく考えるとあれ?と疑問に思う点ありませんでしたか?
この記事では、僕なりのシン・エヴァンゲリオンでのメインキャラの伏線回収を解説してみようと思います。
カヲル、アスカ、レイ、シンジです。
運命を仕組まれた子どもたちですね。
それではいきましょう!
あくまで僕の考察ですので、間違っている部分あればごめんなさい!
目次
カヲルの伏線回収
カヲルの伏線回収については下記です。
- 13号機の中にカヲルの魂が残っていた
- エヴァのループ説
13号機の中にカヲルの魂が残っていた
新劇場版:Qの時点から、13号機の中にカヲルの魂がずっと残っていたということがわかりました。
13号機はダブルエントリーシステムという、2人で動かす特殊な仕様をとっています。
シン・エヴァンゲリオンでも13号機が動いているので、2人乗っている必要があるのですが、それはこの2人のエントリープラグです。
- カヲル(肉体のない不安定な状態)のエントリープラグ
- オリジナル式波シリーズのエントリープラグ(こちらは後で解説します)
新劇場版:QではDSSチョーカーで肉体が破壊されたカヲルですが、
エントリープラグの中にはカヲルの魂は残っており13号機のダブルエントリーシステムの一つとして作動しました。
新劇場版:Qの中でゲンドウが、下記のセリフを言っています。
「ゼーレの少年を排除し、第13号機も覚醒へと導いた」
これは:
- カヲルという少年の自我は排除して、その魂は回収した。
- アディショナルインパクトのための13号機の下準備を終えた。
ということだと思います。
さらにマイナス宇宙でシンジがカヲルに
「第13号機、君のエヴァも処分しようと思う」
と言っていたのも、カヲルの魂が残ったエヴァだからこそのセリフだと思います。
ゼーレの計画はフォースインパクトまでで、人類の魂を浄化することが目的でした。
つまりゲンドウが起こしたいアディショナルインパクトとにとってはカヲルは邪魔な存在です。
カヲルの魂だけ13号機の中に入れておき、
アディショナルインパクトのために13号機を動かすためだけにカヲルの魂を使った、ということが新劇場版:Qからの伏線回収になります。
エヴァのループ説
カヲルの伏線回収の2つ目は、エヴァのループ説の回収です。
新劇場版の序・破・Qでループ説を匂わせるような意味深なカヲルでしたが、
シン・エヴァンゲリオンではループ説は決定的なものとなりました。
例えば、下記のようなループ説を匂わせる発言をしています。
序:「また3番目とわね、変わらないな君は。会えるのを楽しみにしているよ」(月面の棺9つの中の5番目から目覚める)
破:「さあ、約束の時だ。碇シンジ君。今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」(サードインパクトを起こしかけている初号機の覚醒を止める)
Q:「ごめんこれは君の望む幸せではなかった。運命が君を導くだろう。」「そんな顔しないでまた会えるよシンジ君」
これに対してシン・エヴァンゲリオンでは円環の物語の中をループしていることをマイナス宇宙での救済シーンにて触れています。
シンジ「何度もここにきて、君にあっている」
カヲル「生命の書に名を連ねているからね、何度でも会うさ」
カヲル「僕は定められた円環の物語の中で同じ物語を永遠に繰り返さなければならない」
また序でカヲルが出てきた棺は、円状に無数に並ぶ棺の一つでしかなく、何度もループしていることを示しています。
カヲルは、シンジがイマジナリー(妄想)の世界ではなく、リアリティ(現実)で立ち直っていたことに気づき、シンジへの愛情が先走りしてしまっていたことを悟ります。
そして、シンジが新世紀(=エヴァのない世界)を創出したことで、カヲルはループの物語から抜け出し救済されることになりました。
アスカの伏線回収
アスカの伏線回収は下記です。
- アスカの眼帯
- 「怒りと悲しみの累積」&「エヴァの呪縛」
- 式波型というクローン
アスカの眼帯
アスカの1つ目の伏線回収は、アスカの左目の眼帯には第9使徒が封印されていたことです。
新劇場版:破でアスカはエヴァ3号機の起動実験のためにエヴァに乗ります。
そしてその3号機は第9使徒に侵食され暴走します。
新劇場版:Qでは、左目に眼帯をしている姿で登場しました。
「コード777(トリプルセブン)」を使った際に、左目の眼帯から青い「使徒封印呪詛紋様」という使徒を封印する模様が見えました。
シン・エヴァンゲリオンでは、その左目にはやはり第9使徒が封印されていたことがわかりました。
シン・エヴァンゲリオンのヤマト作戦にてアスカは新2号機に乗り、フォースインパクトのトリガーとなり得る13号機に停止信号プラグを打ち込もうとしますが、
13号機を恐れて新2号機自らが展開してしまったATフィールドに阻まれます。
ここでアスカは「裏コード999(スリーナイン)」という左目に父音されていた第9使徒を開放しアスカと新2号機を使徒化するためのコードを使い、
そのATフィールドをもって新2号機自らが展開してしまったATフィールドを中和しようとします。
アスカの眼帯の伏線は、アスカの使徒化でした。
このあと、使徒化されたアスカは突如起動した13号機によって取り込まれてしまいます。
13号機はダブルエントリーシステムなので、下記の2つのエントリープラグがありました。
- カヲル(肉体のない不安定な状態)のエントリープラグ
- オリジナル式波シリーズのエントリープラグ
このためにオリジナル式波シリーズのエントリープラグが13号機にあり、使徒化したアスカはフォースインパクトのトリガーとなってしまいます。
アスカ「シングルエントリーじゃなかったの?」について
ヴィレ側もカヲルの魂から作られたエントリープラグが残っていることは予測していたと思います。
ただ、式波シリーズのオリジナルもエントリーしているとは思っていなかったので、
このセリフが発せられたのでしょう。
○○インパクトについて
- アナザーインパクト=フォースインパクト+アディショナルインパクト
- アディショナルインパクト:「世界の書き換え」を目的として、マイナス宇宙で起きている
- フォースインパクトまで:「浄化」を目的として地球で起きている
- セカンドインパクト:海の浄化
- サードインパクト:大地の浄化
- フォースインパクト:魂の浄化
- ニアサードインパクト:サードインパクトのトリガー
「怒りと悲しみの累積」&「エヴァの呪縛」
アスカの2つ目の伏線回収は、新劇場版:Qでの「怒りと悲しみの累積」&「エヴァの呪縛」というセリフの回収です。
怒りと悲しみの累積については、下記のセリフの通りです。
アスカ「私があんたを殴ろうとしたワケ、わかった?」
シンジ「アスカが3号機に乗っていたとき、僕が何もできなかったから。助けることも、殺すことも。自分で責任を負いたくなかったから。」
つまりシンジが責任を負わなかったことに対して発せられたということですね。
アスカはこのシンジの答えを聞いて許しました。
アスカ「あんたの弁当美味しかった。あのころはシンジのことが好きだったんだと思う。でも先に大人になっちゃった。」
ここ、ぐっときますよねー。
次にエヴァの呪縛ですが、エヴァとのプラグ震度が一定の割合を突破するとヒトではないなにかになってしまう、だと思います。
おそらくアスカがエヴァ3号機に乗り、第9使徒に侵食されたときに起きたのでしょう。
新劇場版:Qでのセリフの伏線回収でした。
式波型というクローン
アスカの伏線回収の3つ目は式波型というクローン説が確定したことです。
もともと旧TV版では加持リョウジに対して行為をもっているアスカですが、新劇場版ではその描写がないことから式波クローン説はありました。
シン・エヴァンゲリオンではゲンドウのセリフでクローン説が証明されました。
「綾波と式波型パイロットは、もとよりインパクトのために用意されていたものだ」
またアスカを救済するシーンでは、多くの式波型がいたことが示唆されており、その中から最後2枚だけ式波型シリーズの写真が残りました。
そのうちの1枚が新劇場版のアスカです。
アスカも最後にはシンジの救済によりエヴァの呪縛から逃れて大人に成長することができました。
式波型と綾波型
- 式波型:生命の実である使徒を保存・補完するためのシリーズ
- 綾波型:知恵の実であるリリスを補完するためのシリーズ
レイの伏線回収
レイの伏線回収は下記です。
- 黒波
- ポカ波
新劇場版の綾波レイは主に、序・破の「ポカ波」と呼ばれる綾波とQからシン・エヴァンゲリオンの第3村までの「黒波」と呼ばれる綾波(そっくりさん?)に分かれます。
それぞれ解説します!
黒波について
黒波は、ネルフにより6番目に綾波レイとして作られた初期ロットタイプです。
そして黒波の伏線回収は、シン・エヴァンゲリオンでは第3村で魂が宿ったことにあると考えます。
新劇場版:Qで下記のセリフがありました。
カヲル「リリンの模造品は魂の位置が違う」
これは新劇場版:Qの時点では黒波には魂=自我がないということを示唆していると思います。
シン・エヴァンゲリオンの第3村では黒波の心理的な成長が多く描かれます。
- いろいろな「おまじない」を村の人との交流を通じて覚えていく
- 黒波「碇くんのことが好きだから」と自分の気持ちを伝える
- 黒波「名前をつけてほしい。ここにいたい。碇君のつけた名前になりたい」
これらは黒波に自我が生まれていったことを示しています。
しかし黒波はネルフで調整を受けないと個体としてのATフィールドを保てないことが明らかになり、
黒波自体もそれを理解しています。
最後に黒波はS-DATをシンジに渡します。
これは黒波とシンジの心が通じ合ったという大切な描写です。
そして黒波のプラグスーツが馴染みのある白に変わります。
黒波に「魂、自我」が宿り、ゲンドウの命令だけで動くのではなく、人間になったことを示してるのではないでしょうか。
黒波「好きな人とずっといっしょにいたかった」
第3村の人との交流で成長し、魂の入った人間になったことを強く伝えるセリフだと思います。
ポカ波について
ポカ波の伏線回収は、ポカ波は初号機に残っていてシンジがエヴァに乗らなくていいようにしていたということです。
ポカ波は新劇場版:破にて、第10使徒に捕食されます。
ポカ波は覚醒した初号機によって救出されたかと思われていましたが、新劇場版:Qでは助けたはずのポカ波はおらず、黒波がいました。
シン・エヴァンゲリオンのマイナス宇宙に突入し、シンジが初号機のエントリープラグに量子テレポートした先には髪が伸びたポカ波がいました。
- ポカ波はシンジがもうエヴァに乗らなくてすむように、14年ずっと初号機と融合していた
- 髪が伸びているということは人の証
- ポカ波にも魂が宿り、人になっていることを示唆
また新劇場版:Qでシンジと初号機とのシンクロ率が0%だったことは、このポカ波がシンジをエヴァに乗せないために阻んできたとも考えられます。
さらにたとえ助けられたとしても自分はもう個体としてのATフィールドを保てずにサルベージできないこともわかっていたようです。
ポカ波「私はもうここでしか生きられない」
ポカ波が初号機に乗っていたという伏線回収がありました。
ポカ波がツバメの人形を抱いていたわけ
- フォースインパクトにより黒波とポカ波の魂が統合した
- ツバメという黒波しか知らない情報の人形を抱いていた
- (希望的観測だけど、)ポカ波が出ていったシャッターの先は第3村で稲刈りをする
シンジの伏線回収
最後にシンジの伏線回収は下記です。(多すぎるので3つに絞ります。)
- S-DAT
- シンジと初号機のシンクロ率∞
- マリがDSSチョーカーを外したこと
S-DAT
S-DATとはシンジがいつも音楽を聞いているプレイヤーのことです。
旧TV版でのS-DATは外の世界と自分を遮断するときにつかう印象がありましたが、
新劇場版では、S-DATを受け渡しする時、もしくは曲が進む時にエヴァの大きな転換点が訪れるシーンとなっています。
- エヴァ破:マリとシンジが会った時→25と26曲目をループしていたS-DATが27曲目に進む
- エヴァQ:シンジとカヲルが打ち解けてもう一度エヴァに乗ることを決心→S-DATが27曲目から28曲目に進む
- シン・エヴァ:シンジとゲンドウが対話する→1曲目から29曲目になる
シン・エヴァンゲリオンのラストでS-DATは捨てるものではなく、父ゲンドウにわたすものだったことがわかります。
言い換えると、今まではATフィールド(外の世界と自分を遮断する)だったS-DATが、親子のつながりとなりATフィールドを中和したことを示していると思います。
ある意味では、S-DATの伏線回収は、シンジの親離れを示唆しているのではないでしょうか。
シンジと初号機のシンクロ率∞
シンジの伏線回収の2つ目はシンジと初号機のシンクロ率が∞(無限)だったことです。
初号機にはポカ波が乗っており、ポカ波がシンジの搭乗を拒んでいたために新劇場版:Qでのシンクロ率は0%だったのではないかという解説をしました。
一方で初号機にはユイも乗っており、シンジとユイは親子であるためその絆は無限大なのではないでしょうか。
新劇場版では触れられていませんが、おそらくユイは自らが初号機にダイレクトエントリーした実験をしています。
そしてシンジがガイウスの槍ですべてのエヴァを貫こうとしたときに、ダイレクトエントリーしたユイが現れてシンジの代わりとなります。
シンジ「そうか、この時のためにずっと僕の中にいたんだね。母さん」
親子の絆は∞ということがシンクロ率∞の示していることではないでしょうか。
マリがDSSチョーカーを外したこと
最後にマリがDSSチョーカーを外したことについて解説します。
これは「エヴァからの解放」を示していると思います。
シンジにとってももちろんですが、これまでエヴァに取り憑かれていたすべての人へ向けられたメッセージなのではないかなと思います。
シンジは自らDSSチョーカーをつけましたが、マリはそれをエヴァのない世界になったことで外して、解放してあげるということですね。
マリは39歳?
- マリは1982年生まれ
- とすると、2021年は39歳
- 若く見えすぎ?
まとめ
この記事ではシン・エヴァンゲリオンのカヲル、アスカ、レイ、シンジの伏線回収について解説しました。
めちゃくちゃ楽しいですよね!ぜひ繰り返し観つつ検証していきましょう。
エヴァは多くの見方があり、いろいろな解説ができるから本当に楽しい作品だと思います。
こちらではエヴァのループ説を解説しています。
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シン・エヴァンゲリオンでわかったエヴァ全作品のループ順序【ネタバレ】
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本記事の内容
- カヲルの伏線回収
- アスカの伏線回収
- レイの伏線回収
- シンジの伏線回収